夢小説B

【呼び声❅後編〜人外主が、右目に氷の華を持つ僕を呼んでいる〜】
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第14話❅食事



燭台切「え?」

主が、すまなそうに頭を下げている。その手には「今日から、食事を十分の一ほどに減らして欲しい」と書かれていた。

燭台切「そんなに?いや、それより・・・どうしてなのか理由を聞いてもいい?」

紙にサラサラと文字を書き込む主を見守る。「外装を纏っていた時は、力を使うからとてもお腹が空いたけれど。今は被る必要が無いから本来の食事量しか食べられなくなったんです。」と書いた。

そして、慌てて何かを書き出す。「胃袋の大きさ的に!!!」と掲げ、必死な形相で大きく頷く主。

燭台切「・・・そう」

自分でも情けないほど、落ち込んだ声が出た。そんな僕に主は慌ててまた「ごめんなさい!本当は沢山食べたいんだけど!」と書いて見せてきた。

燭台切「(あぁ・・・僕がこんな態度だと、主を困らせるだけだよね。)うん、残念だけど分かったよ。なら今日からは主専用のお弁当にしようか!小さくても色とりどりの可愛いお弁当にしてみせるね!」

そう言って笑うと、彼女はホッとしたように、そして「楽しみです!」と掲げ、可愛らしく笑ったのだった。



今までの十分の一・・・と聞けば、かなり減ったと思うだろうが、実は十人分くらい食べていたんじゃないかと思うほどの大食いであった為、実際は平均的な食事量かもしれない。でも、その分「主を餌付けしてる」なんて言われていた僕は、主と会う機会が減った。

別に料理に捕らわれなくてもいいだろうが、今の主から「美味しい」と笑って貰えることを楽しみにしていた僕は、主には申し訳ないけどかなり落ち込んだ。

燭台切「せめて、料理の種類を増やして主に喜んでもらおう・・・!」

そんな新しい目標を掲げた僕は、それから更に落ち込むことになる。

主が、どんどん少食になっていったからだ。一人前は食べれていたのに、日に日に量を減らして欲しいと落ち込みながら相談され・・・等々お弁当から小皿になった。

具合が悪いのかと心配したけれど、元から顔色は青白い為、熱ならともかく体温も低いままだから不調かどうかすら分からない。「ok、ok 大丈夫☆」なんて、いつかに見た返事をされて、僕は何も出来なかった。

それでも何かはしてあげたくて、僕は考えた。そして気付いたんだ。もしかしたら、冷たいものなら食べられるんじゃないかって。



体を冷やせば何とかなる。なんて自分で言っていたくらいだ。土偶の姿をしていた時も、冷水に浸かっていた。いや、それは今も主専用のお風呂場として毎日浸かっているようだけれど。

食べ物にまで気を使ったことはなかった。寧ろ温かい内に食べた方が良いだろうと思っていたし、こんな寒い日が続くのに冷たい食べ物を渡そうという発想がまず無かった。

燭台切「主、こんな寒い日だけど・・・人は炬燵に入ってアイスクリームを食べるって風習があるらしくてね。僕らも試してみようって話になったんだ。主もどうかな?」

見るからに顔色を明るくさせて頷いた主に、僕はホッと安堵した。冷たいもの中心に渡せば、主はもう少し量を食べられるかもしれないって。



でも、その願いが叶うことはなかった・・・。
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