夢小説B

【私のクマさん】 〜クマさんに拐われることが、幼い頃の夢でした〜
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燭台切「・・・」



浦島「ん?どうかしたのかー?」

燭台切「あぁ、いや。眼帯が少しずれてしまってね。」

同田貫「医療用眼帯って言うんだったか?随分使いにくそうだな」

浦島「手鏡出そうか?」

燭台切「ありがとう。でも、もう大丈夫。行こうか。」

同田貫「おう、もうすぐ本丸だ。」



・・・



浦島「ただいまーっと。」

ガサッ...

浦島「ん?・・・ん!??」

同田貫「って、は?・・・おい、誰だよソレ。」

燭台切「え?」

浦島「うわあっ本当だ!?誰だぁ!??」

僕の背後を見てギョット固まった同田貫くん達の言葉に後ろを振り返ると・・・そこには小さな女の子が僕らを見上げていた。あっと口をあけて目を真ん丸にしている姿は大変愛らしいけど・・・

同田貫「・・・これ、やばくないか?」

燭台切「僕ら・・・もしかして部外者を本丸に入れちゃった?」

浦島「ひぇ!主さんに怒られる〜!!」

同田貫「確保だー!」

慌てて少女に手を伸ばした同田貫くん。でもその手が届く前に、その子はハッとしたように走り出した。

『オニごっこ!?ゼッタイまけないもん!!』

同田貫「はぁ?ちげーよ待て!!」

『キャー!ハハハッ♪』

同田貫「あっこらっ!」

燭台切「同田貫くん!追い掛けたら怖がらせ・・・ては、ないようだね。」

浦島「あ〜、あの子が疲れるのを待つしかなさそうだな。」



・・・



『はぁー!はぁー!!捕まっちゃった!』

ゼーゼーと深呼吸を繰り返している少女を捕まえている同田貫くんもまた、酷く疲れた様子で頭を抱えていた。

同田貫「お前らなぁ!手伝えよ!」

浦島「いやぁ楽しそうだったからつい!」



燭台切「それで、ええと・・・小さなお嬢さん。君は、どうして僕らに着いてきたんだい?」

『だってクマさん!』

「「「 熊さん??? 」」」

『わたしクマさんが、だーいすきなの!』

燭台切「熊・・・」

浦島「くま・・・」

同田貫「く、ま・・・?おい、通訳してくれ。」

燭台切「僕にもさっぱりだよ。」

浦島「あー・・・それで?」

『いままでで、いちばんだったの!』

目をキラキラさせているが、全く理解が追いつかない。

同田貫「おい、どうする。」

浦島「さっき現世の万屋に行った時に着いて来た子なら、そこに置いてきたらいいんじゃ・・・」

同田貫「それだ。もっかい道を繋げるぞ!」

燭台切「待って。僕ら三ヶ所回ったよね?」

浦島「回ったけど・・・?」

燭台切「・・・ねぇ、君。」

『なーに?』

燭台切「鬼ごっこの前は、何して遊んでいたの?」

『かくれんぼ!!』


「「「 ・・・ 」」」

浦島「詰んだ」

同田貫「完全に詰んだ」

燭台切「まっ待って!とにかく落ち着こう!!なんとかこの子から情報を聞き出して・・・」

『ねぇねぇ、クマさん』

燭台切「そうだ、方言を使ってないってことは・・・・・・って、え?今、僕のこと、くまさんって呼んだ?」

『クマさん、クマさん!』

少女が僕のシャツを引っ張って「クマさん」と呼んでいる。

浦島「・・・」

同田貫「・・・」

燭台切「待って、待ってまって。何その視線。」

同田貫「あんた、くまさんって呼ばれてねーか?」

浦島「燭台切さんは、熊さんだったのか〜・・・」

燭台切「ええっ!?!!どういうこと!?」

『クマさん・・・おなかすいた・・・』

燭台切「どうして僕が熊なの!?」

『おなか・・・』

同田貫「腹減ったってよ、熊さん。」

浦島「ははっ!ハチミツ食べさせてやろーぜ!」

燭台切「くっ・・・くま・・・・・・(凹)」

頭を抱えた僕に、彼らは他人事のように笑ったのだった。



【私のクマさん】
第一章、「クマさんに拐われることが、幼い頃の夢でした」

第00話✪であい
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