【主には内緒だよ～女郎花と菊の花～】1/14ﾍﾟｰｼﾞ目
第０１話✿主の拘り
燭台切｢主には内緒にしてね｡実はこの本丸に顕現された僕らには･･･(ﾋｿﾋｿ...)｣
小狐丸｢ふむ･･････っ！？それは誠ですか！？｣
燭台切｢本当の話｡あっ､だからって節度は守ってね？皆も緊急事態にしか使ってないから｡｣
小狐丸｢知らぬのは､ぬしさまだけなのですか？｣
燭台切｢そう､主だけ｡｣
小狐丸｢なんと･･･意地悪ですねぇ｡｣
燭台切｢それは言わないお約束｡｣
『燭台切さーん』
燭台切｢ん？呼ばれているね｡･･･主！僕なら此処だよ！｣
『あぁいたいた！･･･あっこんにちは､小狐丸さん｡この本丸での生活はどうですか？不便はありませんか？』
小狐丸｢えぇ､お陰さまで｡とても愉快な毎日を送っております｡｣
『それは良かった♪』
小狐丸｢ところで･･･｣
『？』
小狐丸さんが主の姿を頭から脚の爪先まで順に目線を送る｡
小狐丸｢･･･｣
燭台切｢やっぱり､そう思うよね｡｣
思わず苦笑いが溢れた｡
『ん？』
小狐丸｢ぬしさま｡そのお召し物は？｣
『ただのスーツだけど｡』
小狐丸｢すぅつ･･･女人は確か､すかぁと･･･と､いうものを履かれていたはず｡私の記憶違いでしょうか？｣
燭台切｢その通り｡｣
『パンツスタイルの方が動きやすいし､何よりカッコいいでしょ？』
燭台切｢カッコいい･･･？｣
口元がひきつる僕を見て､主はムッとした顔をする｡
小狐丸｢･･･ぬしさまの体格ですと､すかぁと･･･というものの方がお似合いになるかと｡｣
『なぁああ！！』
燭台切｢ほらね､主｡諦めてスカートにしなよ｡｣
小狐丸｢その口振りですと､もう何度もこのやり取りをしたのですか？｣
燭台切｢うん､お決りになりつつあるね｡｣
『なってないから！そもそも似合ってるからぁ！！』
燭台切｢ん～･･･｣
『うっ･･･』
小狐丸｢？｣
燭台切｢主は小柄だから､きっとスカートの方が似合うよ｡髪だって重めの黒髪ロングよりも明るい色に癖毛を活かした柔らかいヘアスタイルが似合うと思うし､メイクだってイエベに変えた方がいい｡マットの赤い口紅よりも薄い桃色ティント､付け睫は止めて自然なマスカラと眉も優しい印象にアイシャドウだって黒とゴールドのラメじゃなく赤茶系のすっぴんメイクで･･･｣
『あ～！！！そうだ資材の確認するんだったなぁ～！近侍の燭台切さん？小狐丸さんに倉庫の場所案内するんでしょ？ね？』
小狐丸｢･･･今のは呪文ですか？｣
『う～･･･ウチの燭台切さんは､ちょこ～っと煩くてね｡』
燭台切｢主､聞こえてる｡｣
『え？何のこと～？』
燭台切｢も～｣
『良いでしょ～？ファッションくらい､私の着たいものを選ばせてよ｡』
燭台切｢そのスーツもかい？｣
『スーツも！』
燭台切｢せめてスカートに･･･｣
『さぁ！しゅっぱ～つ！』
燭台切｢あっ､主･･･！！｣
･･･
燭台切｢主､準備は出来たかい？｣
『待って～･･･もうちょっと･･･え～っと､あっあった｡これと～･･･あっ！これこれ｡』
燭台切｢･･･｣
『よし！お待た･･･せ･･･って､も～何～？そんな顔しないでよ～｡』
燭台切｢主､僕の心の中当ててみて｡｣
『どうせ私の格好が不満なんでしょ？』
燭台切｢どうせって･･･｣
『燭台切さんがいつも言うように､ちゃんといつ如何なる時にでも身嗜みはちゃんとしてるよ？』
燭台切｢そうなんだけど･･･そうじゃないというか･･･本当にその格好で買い出しに行くのかい？｣
『なぁに？燭台切さんがいつもスカートスカート煩いから､ホラ｡ちゃんとお望みのスカート選んだってのに､今度は何が不満なのよ｡』
燭台切｢どうして黒のタイトワンピース？｣
『ムカッ！そんな引いた目で見ないでよ！流石に傷付く！！』
燭台切｢僕､いつも言ってるよね｡主は明るい色が似合うから､特に黒い服は止めて･･･｣
『あぁ！！もうほんっと煩いから！！！行くよ！はい､買い出し行かなきゃ酒飲み連中が怒り出しますよ～』
燭台切｢(逃げた･･･)って､待って！何その靴！！！｣
『っ！！靴までいちゃもん付けんの！？もう聞き飽きたよホラ行くよ！燭台切さん！早く！！』
燭台切｢～･･･｣
『(うっ視線も煩い)』
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